音色 neiro - Short Short Story ▼ New Story
♯81.舞い降りた千夜一夜 2025.1 Update 感極まれば、人は凍りついたかのように静止してしまう。 目の当たりにした前後で、価値観や美意識が一変した経験はないだろうか。 視覚的対象に限らず、ふいに出会った音楽か、人かもしれない。 待ち焦がれても訪れず、探しても見つからない彩雲や虹のよう。 その瞬間を受けとめて、留められなかったとしたら、 心から求めていたか、必要だったかと奥底へ問いかけてみる。 ふいに予知夢が知らせてくれるかもしれない運命の瞬間。 度重なる激変に、原形さえ分からなくなったものもある。 極点との遭遇が幸か不幸かより、偶然か必然かと思い巡らせる。
Copyright 2005- Toshitaka Shimizu All rights reserved.