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♯80.芸術の変遷 2024.10 Update
 一千年以上前まで画家や作曲家が、献上するために生み出した作品群。
もちろん、相応の見返りがあったにせよ、個人から個人への贈り物だった。
それ以外の金銭や物品との代替目的で生まれた多くは消え去り、
現代へ引き継がれた多くは、偉業を明かす遺産とも呼ばれている。
現在の芸術作品の多くは、産業化や商品化が前提か主目的。
購買意欲を高めるか否かが前提のため、捧げものとは全く別物になる。
年月毎に決められた数量が産み出され、模範的消費者へ行き渡る構図は、
ベルトコンベア上の閉鎖的光景にも見える。
生涯唯一としても後世に遺るなら、「普遍性」を獲得した証だろう。
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♯79.音楽の本質と音質・情緒 2024.7 Update
 昭和の遺産だったレコードが、いつしか再人気とか。
廃物扱いのアナログ盤を、西洋人が地方にも赴いて大量購入する話も聞いた。
再注目された理由は「音質」より、「情緒」にあるように思える。
高音質を謳うガラス製ディスクや再生機、ヘッドホンを含め、
光学ディスクはノイズもなく鮮明だが、聴くための動作も含めて味気ない。
優劣を問う「音楽の本質」なら、アナログもデジタルも同等。
かつては、オーケストラやビッグバンドなどによる演奏が蓄音機で聴かれ、
運命の一曲を携帯ラジオからキャッチした人の多さも、その現実を物語る。
突き詰めて言えば、技術的に高度な演奏も、独創的演奏とは並び得ない。
音質の優劣や情緒などは、「音楽の本質」と無縁の選択肢ではないだろうか。
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♯78.消滅危機言語と多様性 2024.4 Update
 地球規模の環境変化によって、動植物の絶滅が報じられる昨今。
各方面で保全を謳われる「多様性」は、常に生きるものの求めに左右される。
身近から類推するなら、至る所で聞かれた「方言」の衰退は何を示すだろう。
わずか半世紀の間に地域を問わず、ビジネス会話上の方言は激減中。
イベント名や公共施設名に使われる場合もあるが、親近感が増すだろうか。
少なくとも、中年・若年層の訛を耳にする機会は少ないように感じる。
主力メディアがエリア不問のインターネット上へ移行して以来、
大多数の情報発信には、伝わりやすさが最優先されて久しい。
問題発生をあらかじめ避けた対応も含めると、広告制作業に等しい。
何処へ進むべきか、多数決よりも個々の意志を見届けたい。
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♯77.装いの意味 2024.1 Update
 見栄や自己表現のためでなく、体温調節や身体保護のための装い。
快適さが整った都市生活では、機能性から離れた勘違いが見られるが、
寒暖の厳しい地方生活では、ごく当たり前に意識されるポイント。
「お洒落には我慢が必須」とまかり通るほど、自然の有り様は甘くない。
浮かれ騒ぎにしか見えない日常は、思考と感覚さえも麻痺させるのだろうか。
極地試用を経るなどして商品化された新素材製アンダーウェアの流行に、
やや感心する半面、古着などの高額売買には首をかしげたくなる。
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